今や日常生活に欠かせない携帯電話ですが、利用料金を滞納するとどうなるのでしょうか。
ほとんどの人が滞納や不払いをしたことがない、と思いますが、ここでは実際に滞納した場合に及ぼす影響について詳しく解説します。
場合によっては人生が狂ってしまうほどのリスクがありますので、しっかりと確認しておきましょう。
利用料金を滞納するとどうなる?
基本的には携帯電話の利用料金を滞納した場合のリスクは、docomoやauといったキャリアや格安SIMを販売するMVNO業者を問わず共通です。
その場合の流れを時系列順に紹介すると以下の通りです。
・携帯電話が利用できなくなる
・延滞した期間に応じて延滞料が加算される
・強制的に解約になる
・他社とも契約不可能になる
・クレジットカードも契約不可能になる
・住宅ローンなどの各種ローンが利用不可になる
このうち、クレジットカードや各種ローンが利用できなくなるのは人生において相当な痛手です。
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンといったものが利用できなくなりますので、家や車の購入、子供の教育においてかなりの制限を受けます。
たかだか携帯電話の利用料金を延滞しただけでこんなことになるの?と思われるかもしれませんが、これは決してオーバーな話ではありません。
自分だけでなく家族をも巻き込んだトラブルに発展しかねないということを理解して、収入と支出のバランスをこの機会に見直してみましょう。
携帯電話が利用できなくなる
利用料金を滞納するとまず起こること、これは携帯電話が利用できなくなるということです。
とはいえ、支払日が1日遅れただけでいきなり利用停止になるということはありません。
ほとんどの場合は支払日から2週間程度で再度請求が行われ、それでも支払いが行われなかった場合は携帯電話の利用が停止されます。
利用停止までの期間は支払い期限から30日前後の滞納があった場合であり、この場合は事前に利用停止予告の通知が届きます。
利用停止までのスケジュールは各業者によって異なりますので、自身が契約している業者がどうだったのか改めて確認しておきましょう。
2.延滞した期間に応じて延滞料が加算される
利用料金を滞納するとその分についての遅延損害金として、延滞利息が発生します。
延滞利息は、docomo、au、SoftBank、楽天モバイルの4キャリアに共通して年14.5%の利率で計算されます。
本来支払うべき期日を過ぎて支払いがされなかった場合に延滞利息が発生する仕組みですが、ほとんどのキャリアやMVNOでは一定の猶予期間を設けています。
支払い日を過ぎていきなり延滞利息込みで支払わなければいけない、というわけではなく、「10日以内に支払えば延滞利息なし」等、猶予期間が設けられている場合がありますので、それぞれのキャリアごとに確認をしておきましょう。
3.強制的に解約となる
利用料金を滞納すると携帯電話が利用停止となりますが、それでもなお不払いが続くと「契約解除予告通知」が届きます。
これは、「このままだと携帯電話の契約を解除しますよ」という通知であり、さらにそのままの状態が続くと「最終通告書」が送られてきます。
それでも不払いの状態を続けていると強制的に解約となります。
もちろん解約になったといっても支払いが免除されるわけではなく、未払いが残ったまま「携帯ブラックリスト」に登録されます。
この「携帯ブラックリスト」は、「TCA(電気通信事業者協会)」と「TELESA(テレコムサービス協会)」に加盟している業者間で共有されており、ここに登録されてしまうと他の会社でも携帯電話の契約が難しくなります。
4.他社とも契約不可能になる
docomoの携帯電話を契約し、その後利用料金を延滞した場合は未払いの分をすべて支払うまでdocomoで契約をすることはできません。
さらに、この情報は「携帯ブラックリスト」を通して他社にも共有されますので、auやSoftBankを始め格安SIMでも契約ができなくなります。
この状態で携帯電話を持つためには「プリペイドスマホ」か「レンタル携帯」を利用するしかありません。
なお、これらの携帯電話は他キャリアに比べて利用料金が高額ですので、さらに状況が厳しくなるといえるでしょう。
5.クレジットカードも契約不可能になる
みなさんがスマホをキャリアで契約する場合、スマホ本体の端末はどのような支払い方法を選択しますか。
ほとんどの人がスマホ本体を割賦契約の分割払いを選択していると思いますが、事実、キャリアで契約をした人の7割以上が分割払いを選んでいるというデータもあります。
このスマホ本体の代金を分割払いする場合、その費用はクレジットカードで支払うことになりますが、こちらも滞納をすると「クレジットカードブラックリスト」というものに登録されます。
基本的には分割払いの滞納が61日以上経過した場合にリストに登録されることになりますので注意しましょう。
そして、この「クレジットカードブラックリスト」に登録されてしまうと当然ながら新規にクレジットカードを契約することが極めて難しい状態となります。
もちろん100%クレジットカードの発行ができなくなるわけではありませんが、それでも相当特殊な事情でもない限りはクレジットカードを作ることは事実上不可能といえるでしょう。
こうしたクレジットカードの支払い状況を管理しているのが「CIC」や「JICC」などの信用情報機関です。
以下に各信用情報機関の詳細についてまとめました。
名称 | 運営期間 | 主な加盟機関 |
CIC | 株式会社シー・アイ・シー | ・キャリア ・クレジットカード会社 ・貸金業者 |
JICC | 株式会社日本信用情報機構 | ・クレジットカード会社 ・貸金業者 ・地方銀行 |
JBA(KSC) | 一般社団法人 全国銀行協会 | ・都市銀行 ・地方銀行 |
CRINについて
上記の各種信用情報機関ごとに、クレジットカードブラックリストの登録期間は異なります。
たとえばCICでは5年、JCCでは1年・・・といった具合にそれぞれの信用情報機関によってリストに保存されている期間が異なるのですが、「CRIN」という情報共有システムによってそれぞれの信用情報機関の間で情報が共有されています。
キャリアではスマホ本体を分割払いする場合、CICに情報が登録される場合がほとんどですので、ブラックリストに登録されてしまった場合は最低でも5年間は新規にクレジットカードの契約ができないと考えてください。
6.住宅ローンなどの各種ローンが利用不可になる
クレジットカードを新規に発行することができなくなることで、各種ローンも利用することができなくなります。
「住宅ローン」や「自動車ローン」「教育ローン」などは言うに及ばず、消費者金融などの「フリーローン」も審査に通らなくなりますので、新規にお金を借りるといったことは不可能です。
携帯電話が利用停止するまで
料金の不払いからの強制解約、場合によっては裁判になるケースもありますが、それぞれのキャリアごとの具体的な流れを以下にまとめました。
ブラックリストに登録されると・・・
スマホの利用料金を滞納すると「携帯ブラックリスト」に登録され、その状態からさらにスマホ本体の分割払いも滞納してしまった場合は「クレジットカードブラックリスト」にも登録されます。
このうち「携帯ブラックリスト」の場合は支払いを完済した日ではなく不払いが発生した日から起算して5年が経過することで登録が解除されます。
しかし、「クレジットカードブラックリスト」の場合は支払いを完済してもその後5年にわたり情報が残ります。
つまり、「クレジットカードブラックリスト」に登録され2年かけて完済をしてもその後5年間は情報が残り続けますので、実質7年間ブラックという状態になります。
インターネットでの電子決済が普及した現代社会において、クレジットカードが使えないというのはほとんどのサービスが利用できなくなると言っても過言ではありません。
クレジットカードに紐づいているETCはもちろんのこと、各種電子マネーやキャッシュレス決済も当然ながら利用不可能となります。
買い物は全て現金一括払いでの取引となり、保証会社を通す賃貸契約もできなくなりますので、住むところすら制限されてしまいます。
携帯電話の利用料金を滞納するということは、最悪の場合このようなことになるということを理解しておきましょう。
更に詳しい内容が記載されている記事の紹介
キャリアが携帯代金を払えなかった場合、払わなかった場合についてのリスクを記載してくれているサイトがありますのでこちらもご参考にしてみてください!