CICブラックの概要
CICブラックとは、信用情報機関の一つであるCIC(株式会社シー・アイ・シー)において、金融事故を起こしたことが記録された人のことを指します。
CICブラックになると、他の信用情報機関にも情報が共有され、借入やカードの申し込みが困難になります。
3つの信用情報機関
日本には、CICのほかにもJICC(日本信用情報機構)とJBA(日本銀行協会)の2つの信用情報機関があります。
これら3つの機関は、それぞれ異なる業種や金融機関から情報を収集し、登録者の信用状況を管理しています。
3つの機関は、相互に情報を提供し合っており、どれか一つで金融事故を起こすと、他の2つでもブラックになる可能性があります。
ブラック入り理由3選
CICブラックになる主な理由は以下の3つです。
・返済が滞納し、債務整理や自己破産などの手続きを行った場合
・カードローンやクレジットカードなどの利用限度額を超えて借入した場合
・個人情報や収入などを偽って申し込みをした場合
これらの行為は、信用情報機関によって重大な違反とみなされ、長期間にわたって記録されます。
金融事故情報の保存期間
CICでは、金融事故情報の保存期間は以下のように定められています。
債務整理や自己破産などの手続きを行った場合:最終処理日から5年
利用限度額を超えて借入した場合:超過日から5年
偽り申告をした場合:偽り申告日から7年
ただし、これらの期間はあくまで目安であり、実際には金融機関や信用情報機関の判断によって異なる場合があります。
返済が完了しても、すぐに情報が削除されるわけではありません。
削除されるまでには、数ヶ月から数年かかることもあります。
ブラックリストはいつまで?
CICブラックになると、他の信用情報機関にも情報が共有されます。
そのため、CICブラックになった人は、他の信用情報機関にもブラックリストとして登録されます。
ブラックリストに登録されると、クレジットカードやローンなどの審査に通りにくいです。
ブラックリストから抹消されるには、保存期間が経過するか、金融事故を起こした会社と和解する必要があります。
知らないじゃすまない「CRIN」
CICブラックに関係するもうひとつの重要な用語が「CRIN」です。
CRINとは、Credit Risk Information Network(クレジットリスク情報ネットワーク)の略で、CICが運営する金融事故者のデータベースです。
CRINには、CICだけでなく、他の信用情報機関や金融機関からも情報が集められています。
CRINを利用することで、金融機関は個人の信用状況をより正確に判断できます。
しかし、CRINは一般人が閲覧できるものではありません。
CRINを見ることができるのは、CRIN加盟者だけです。
CICブラック入りするとこうなる
CICブラックとは、CICという信用情報機関において、債務不履行や自己破産などの重大な信用問題を起こした人のことです。
CICブラックになると、金融機関や企業からの信用を失い、様々な不利益を受けることになります。
具体的には、以下のようなことが起こります。
不動産は一括購入
CICブラックになると、住宅ローンや不動産投資ローンなどの借入ができません。
つまり、不動産を購入するには、全額現金で支払う必要があります。
しかし、そのような大金を持っている人はほとんどいませんし、持っていても不動産に全て使うのはリスクが高すぎます。
賃貸物件はかなり絞られる
CICブラックになると、賃貸物件を借りるのも難しくなります。
多くの賃貸物件では、入居時に信用情報をチェックされます。
CICブラックだと、即座に不可と判断される可能性があり、保証会社や連帯保証人も利用できません。
そのため、条件の良い物件はほとんど選べず、敷金・礼金・家賃が高くても仕方ない物件に住むことになります。
車も一括購入
CICブラックになると、カーローンやリース契約もできません。
車を購入するには、やはり全額現金で支払う必要があります。
なぜならば自動車保険も高くなり、CICブラックだと事故や盗難のリスクが高いと見なされるためです。
以上の理由により、CICブラックになると、カーローンやリース契約もできません。
子供の進学費用も一括で
CICブラックになると、教育ローンや奨学金も利用できず、子供の進学費用も一括で支払わなければなりません。
しかし、高校や大学の授業料は年々上昇しており、一括で支払うのは困難です。
子供が就職する際にもCICブラックの影響を受ける可能性があります。
就職活動では、親の信用情報もチェックされる場合があるからです。
スマホも一括購入
CICブラックになると、スマホの分割払いやキャリア決済もできません。
スマホを購入するには、一括で支払う必要があります。
月々の料金も高くなり、CICブラックだと支払い遅延や解約のリスクが高いと見なされるためです。
CICブラックリストの確認方法
CICブラックリストとは、信用情報機関であるCICが管理する、債務不履行や延滞などの悪い信用情報を持つ人のリストです。
このリストに載ってしまうと、クレジットカードやローンなどの審査に影響する可能性があります。
では、自分がCICブラックリストに載っているかどうかを確認する方法は何でしょうか?
開示請求の手順
CICブラックリストに載っているかどうかを知るには、CICに自分の信用情報を開示してもらう必要があります。
これを開示請求と呼びます。ラックリストに登録されると、クレジットカードやローンなどの審査に通りにくくなります。
開示請求は、以下の手順で行うことができます。
1. CICのホームページから「個人信用情報開示申込書」をダウンロードします。
2. 申込書に必要事項を記入し、本人確認書類のコピーを添付します。
3. 申込書と本人確認書類のコピーを郵送またはFAXでCICに送付します。
4. CICから開示結果が郵送されてくるのを待ちます。
開示方法の比較
開示請求の方法によって、開示される信用情報の内容や形式が異なります。
以下にそれぞれの特徴をまとめました。
インターネットから申し込む場合
開示される信用情報:信用情報開示報告書(PDF形式)
開示される期間:過去5年間
開示される方法:メールで送付される
郵送で申し込む場合
開示される信用情報:信用情報開示報告書(紙形式)
開示される期間:過去5年間
開示される方法:郵送で送付される
窓口で申し込む場合
開示される信用情報:信用情報開示票(紙形式)
開示される期間:過去1年間
開示される方法:その場で確認できる
信用情報開示報告書の見方
信用情報開示報告書とは、指定信用情報機関が保有する個人の信用情報を開示したものです。
信用情報とは、クレジットカードやローンなどの利用履歴や返済状況などを指します。
信用情報開示報告書は、自分の信用状態を確認したり、誤りがないかをチェックしたりするために重要な書類です。
ここでは、信用情報開示報告書の見方について、主な項目を解説します。
「異動」ってなに?
信用情報開示報告書には、「異動」という言葉がよく出てきます。
「異動」とは、クレジットカードやローンなどの契約内容や利用状況に変更があったときに記録されるものです。
例えば、カードの利用限度額を変更したり、ローンの返済期間を延長したりした場合に、「異動」として記録されます。
「異動」は、契約者の信用状態に影響する可能性があるため、注意して確認する必要があります。
26番「返済状況」
信用情報開示報告書には、「返済状況」という項目があります。
これは、クレジットカードやローンなどの返済履歴を表すものです。「返済状況」には、「0」から「9」までの数字が記載されています。
「0」は正常に返済していることを、「1」から「9」は遅延や滞納などの程度を表し、「9」は最も重度の遅延や滞納であることを意味します。
「返済状況」は、契約者の信用力に大きく影響するため、特に注意して確認する必要があります。
入金状況
報告書下部に「入金状況」という項目を見ると、直近24ヵ月の支払状況を確認できます。
自身が過去に滞納があったのかがわかるため、今後滞納をしないと意識をするためにも重要です。